【一目均衡表の見方】チャート上の本当の使い方について解説
これは、おそらくトレードに携わっている方ならだれでも知っていると言っても過言ではない超有名な指標である。トレードの世界に足を踏み入れて間もなくしてこの指標について勉強されたり活用したことあるよーという方も少なくないのではない。ただ1点手がつけやすいがために盲点になって見落としてしまう点も多々あり非常にもったいない使い方にとどまっている方も多数お見かけするのも事実である。別の記事で概要を述べているので、本記事ではこの一目均衡表の基礎応用も含めその魅力について解説していきたい。
目次
一目均衡表とは
トレーダーの間で非常に人気でメジャーなインジケーターいくつかあるが、移動平均線とかボリンジャーバンドとRSI ストキャスティックスなどがすべて欧米産なのに対して、一目均衡表がテクニカル指標としては非常に珍しいメイドインジャパンで一目山人(いちもくさんじん)さんという方が、何年もの歳月をかけて考案した。
この指標はご覧の通り全部で5本の線で構成されていてそれらの線の推移や交わりから価格の行方を私たちに示してくれるものである。始めに各線の名称があるので簡単にチャートで見ていくこととする。 まずは割と価格の近く、上に推移しているこの赤い線を転換線というもので、その若干上に推移しているラインが基準線というラインである。続いて価格からだいぶ遅れて後ろのほうに価格と似たような水準で推移しているもの、これを遅行スパンと言う。そして価格のちょっと下に推移しているオレンジのラインが先行スパン1でその下の紫色のラインが先行スパン2というものである。ちなみにこの先行スパン1と2で形成されている空間が抵抗帯というもので一般的にはこの形状から雲と呼ばれる。
正直移動平均線ほどピンとは来ないが、中には複数の線が入り混じっているためとっつきづらく思われる。 よって、いきなりここで買ってここで売りましょうそういった指標であるという話はしない。どんなテクニカル指標もまずはその計算式だったり性質を理解してから活用することが大切ですから、まずは面倒くさがることなく各線の計算式から見ていくこととする。
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一目均衡表の見方 各ラインの計算式
転換線
これは当日を含むこの9日間の 最高値と最安値の中値を取ってあげる。9日間と書いているが、これは日足を想定して9日間と言っているのでパラメータ9であるというふうに御理解いただきたい。短期足でも使用は可能である。 計算式は9日間で付けた最も高い水準と9日間で付けた最も安い水準を足して2で割ってあげるというものである。
計算式:(当日を含む9日間の最高値+最安値)/2
基準線
計算式は転換線と全く一緒である。ただ取る期間が若干異なり、変換線が短期とするならば基準線は中期と言えるものである。これは当日を含む26日の最高値と最安値の中値を取ってあげる、つまり高いところと安いところを足して2で割ってあげると基準線が算出される
計算式:(26日間の最高値+最安値)/2
遅行スパン
遅行スパンは、足したり割ったりというのは一切していない。当日の終値を当日を含む26日後ろに記入してあげるというものなので価格からだいぶ後ろの方で推移していたということである。
先行スパン1
これを雲をを形成しているものですけどもちょっと計算式が異なります。この転換線と基準線の中値を当日を含む26日先に記入してあげるというものである。計算式はシンプルで、転換線の値と基準線の値を2で割ってあげるというものである。
計算式:(転換値+基準値)/2
先行スパン2
こちらは過去52日間の最高値と最安値での中値を、先行スパン1同様に26日先に記入してあげるというものである。転換線が短期、基準線が中期的な視点なのであれば先行スパン2は長期的な視点で見ているというものである。
計算式:(過去52日間の最高値+過去52日間の最安値)/2
一目均衡表の見方 各線の本当の意味
全て ローソク足期間は異なるが、高値と安値の半値関係を表しているのが一目均衡表を構成する各線だということである。この辺りの様子を知ることによってそれらがどう作用し合うのかが少しずつ分かってくる。
上昇トレンドの場合
一目均衡表はまずその有名さゆえに雲を抜けたら買いとか雲を下抜けたら売りという解説が割と前に出てしまっているが、実はそんな単純なものではない。一目均衡表のすべての線が抵抗体であり、支持線という意味を持っている。まず一目均衡表を理解する上で外せない概念というのが この中値半値である。半値とはその期間におけるトレンド判断の分岐点の意味を持っていて上昇トレンド中の押し目、また下落トレンド中の戻りの限界点ととらえることもできる水準のことをいう。イメージとしては下図のとおり。
半値の捉え方は、上昇トレンドがあった時には必ず各波動が上げたり下げたりを繰り返して一つの波動カウントしてあげると安値と高値というのがでてくる。この2つの値を足して2で割ってあげると先ほどの半値が算出されるが、半値の捉え方としては価格がグーッと上昇していくといずれどこかのタイミングで調整局面を迎えて、この半値を割り込むのか割り込まないのかによって今後のマーケットの行方それから買い方と売り方のどちらが優勢なのかを捉えていくというものである。
例えば押しが分岐点を割り込まないで再び再浮上するならば上昇トレンド継続中であり、半値で止まって再浮上するならばこれも上昇トレンド継続中という判断ができる。一方で仮にこの半値の水準を割り込んでしまったならば上昇トレンドの衰えを示唆し、売りが優勢に転じたということとなり、下落トレンドに転じたという捉え方もできる。そのためこの局面では、例えばこの分岐点を割り込んでいこうというのは順張りで売りエントリーをするといった売買戦略などが成り立つ。ちなみに、一目均衡表ではこの半値 分岐点のことを相場水準という風に呼ぶ。
下落トレンドの場合
では続いて下落トレンドだが、これも考え方は一緒である。下落トレンドの場合こちらも波動が 下落していく中で高値と安値というものを定期的につけるわけなので、その中値を取ってあげてここで買い方と売り方のどちらが優勢なのかを判断していこうというものである。
半値を割らずに再下落するならばトレンド継続中で、トレード戦略としては売りということになるし、逆にここを抜けてしまうとそれ以前の売りは明らかに衰えるため、一段水準を切り上げる可能性がある、つまり売買戦略は買いになるというだ。
一目均衡表の見方まとめ
- トレーダーの間では有名な一目均衡表だが、雲を上抜けたら買いとか雲を下抜けたら売りといった短絡的な使い方ではなく、各線の意味をしっかり理解した上での使用が望ましい。
- 一目均衡表で一番のキモとなる部分は、半値の分岐点である「相場水準」であり、ここより上なのか下なのかによってトレンドがどちらの方向に傾くかが一目瞭然となる。