【インジケーター・ストキャトティクス】誰も知らない本当の使い方

オシレーター系の指標としてFXのトレーダーの間でも人気の高いストキャスティクス。

これの本当の示すところをご存じだろうか。一般的には買われすぎ、売られすぎの指標として使われているが、本当にそれでいいのか。

この記事では、ストキャスティクスの本質を計算式から分析し、勝率の高い使い方を紹介する。

ストキャスティクスとは

ストキャスティクスは歴史も古く、1950年代にアメリカのチャート分析家ジョージレン氏によって考案された指標である。

ちなみにストキャスティクスとは「推計学的な」という意味を持つ。推計というのは、ある計算によって推定することを意味する。

ストキャスティクスはどのようにできているのか

一般的には買われすぎとか売られすぎとかを教えてくれる指標という解説を目にすることがよくあるが、それは少しニュアンスが異なる。むしろそのように認識すると、とても危険なテクニカル指標になりかねないので注意を要する。

のぶた君

ストキャスティクスって以前使ったことありますよ。一般的な説明通り買われすぎのサインが出たから売って、売られすぎのサインが出たから買ってを繰り返していました。

レンジ相場では本当に調子よかったんですが、トレンドが出たとたんに大きくやられてしまい、それ以来使っていません。

ドラゴン先生

なるほどね。それは使い方自体に誤りがあるからだよ。これがどんな計算式で成り立っていて、本当に教えてくれることは何なのかを理解すればかなり強力なツールになるよ。

ストキャスティクスとは、一定期間の価格帯の中で現在の価格が相対的にどの水準、またはどの高さに位置していかを教えてくれる指標である。

ストキャスティクス の計算式

もともとのストキャスティクス計算式「マックス岩本公式動画」より

%K (パーセン トケイ) とは、C(終値)から一定期間の最安値(Ln)を引いたものを、一定期間の最高値(Hn)から一定期間の最安値(Ln)を引いた値で割ってその比率を求めたものであり、%D(パーセントディー)は何かというと、%K(パーセントケイ)の単純な移動平均線である。

これをファーストストキャスと呼ぶ。

ストキャスティクス計算式説明の図「マックス岩本講義動画」より

それに対して、スローストキャスティクスとは、ファーストストキャスティクスでサブラインとして使用した%D(%Kをある一定期間の移動平均をとったもの)をメインのラインとしで使用するものである。

もう一方のラインは、この%Dを平均化した(一定期間の日数で割った)S%D(スローパーセントディー)というものを使う。これをファストストキャスティクスに対して「スローストキャステイクス」と呼ぶ。

ストキャスティクスが本当に教えてくれること

ストキャスティクス解説の図「マックス岩本公式動画」より引用

ストキャスティクスが本当に教えてくれることとは一体何なのか、着眼点はどこなのかというと、一定期間の価格帯の中で現在の価格が相対的にどの水準、どの高さに位置しているかを教えてくれる指標である。

重要ポイント

%Kが示すのは図の部分である。この図ではストキャスティクスのパラメータを9(9日間)として設定している。すると、直近からローソク足9本分の価格帯に着眼することとなる。逆の言い方をすれば、過去10本、11本、12本以上遡った値は視野に入れていないのだ。見ているのは、パラメータで指定した範囲だけということになる。

%Kというのは、9本分のローソク足の中の最安値から現在の水準の差を求めていた。これを求めたうえで過去9本分のローソク足の中の最高値-最安値というのが計算式にあった。つまり、9日間の値幅というものを求めていることとなる。よって、算式にすると、

%K=現在の水準/9日間の値幅

単純にパラメータ9であれば、9本分のローソク足の最高値と最安値の間の中で%Kがどこにいるかというのをパーセンテージで教えてくれるということとなる。実際確認してみると、現在価格は最高値と最安値の真ん中で位置しているのがわかる。それとこの時ストキャスティクスをパラメータ9で表示した場合、%Kの黄色のラインはちょうど50%のところに引かれる。

ストキャステイクスの本当の意味

今後価格が上昇トレンドの勢いが高まって最高値を更新するような局面があったとすれば、それは過去9本分のローソク足の中で新値をつけた最高値が現在値になるので、ストキャスティクスの敏感なラインの位置は100%近辺に張り付いたままの表示がされる。逆に、今後価格が下落方向に動意づいた場合には最安値を更新すると、20%ラインを下回って0%近辺で推移する。したがって、トレンドが発生した局面では、上辺や下辺に張り付いてしまうということもあるが、この計算式を理解していれば何も違和感はないはずだ。

最重要ポイント

ストキャスティクスというのは、一定期間の中で現在の水準が一体何%の水準、つまり最安値からどの高さにいるかを教えてくれるテクニカル指標である。

インジケーター・ストキャスティクスの本当の活用方法

使用する時間帯を考慮すること

これはストキャスティクスに限ったことではないが、価格が動かない東京時間やニューヨーク時間の終わりで使うのではなく、しっかりと価格が動く時間帯で使うのがベストである。

ほかのインジケーターと組み合わせて使用する

ストキャスティクス単体で使用するのではなく、視点の異なるテクニカル分析ツールと併用しての使用をお勧めする。特にボリンジャーバンドなどのトレンド系インジケーターとの相性が抜群に良いことは知られている。ボリンジャーバンドは、バンド幅の狭いスクイーズからエクスパンションでバンドウヲークに転じたところでエントリーするのが一般的である。決済の段階ではミドルバンドを価格が抜けたタイミングというのが一般的であるが、それだと利幅が取れないことが多い。そんな時ストキャスティクスと併用して、決済判断を遅らせることで利幅を取ることができる。

このように、ストキャスティクスは、逆張り指標のイメージがあるが、逆張り局面でしか使えないテクニカル指標ではない。トレンドフォローの支えとしての活用を強くお勧めする。

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誰も知らない本当のストキャスティクスまとめ

  • よほど大きなパラメータを使用しない限りはストキャスティクスは、直近の値動きつまり短期的な視点しか基本的に視野に入っていない指標である。
  • 間違っても買われすぎ、売られすぎといった単純な考えでの活用は避けることがポイントである。

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