【FX本当のRSI】設定方法や手法について解説します
今回のテーマはRSIというオシレーター系の代表格の指標です。これは、非常に有名なインジケーターではあるんですけども使い方を一歩間違えるとちょっとけがのもとになってしまうインジケーターなので その注意点と、この指標の真価を発揮させるために理解すべきことについてお話ししていこうと思いますのでぜひ最後までご覧になってみてください。
目次
FXRSI そもそもRSIとは
RSIの概要
RSIは1978年にジェームズワイルダー氏によって考案された。この方はテクニカル手法の開発者としては非常に有名な方で、 というのもRSI以外にもピボットであるとか DMI 、パラボリックなどを考案してテクニカル分析の業界に多大な功績を残された方である。
ちなみにRSIと はRelative Strength Index(リレーティブ・ストレングス・インデックス)の頭文字からその名が付けられている。日本語に直訳すると相対力指数という意味でである。これを簡単に言えば現在の価格が相対的に買いと売りのどちらに傾いているかということを示すインジケータだと思っていただきたい。
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RSI以前の指標
オシレーター系指標で主に一定期間における価格の水準に着目して買われすぎや売られ過ぎを察知するRSIは価格の上げ幅と下げ幅の値幅ここに着目し上下動の力関係を示すものになる。 RSIはトレンド系指標の移動平均とか、後はダウ理論などに比べると その歴史は比較的浅いが、実はそれ以前にも RSIに似たテクニカル指標というのが存在した。それがサイコロジカルラインというものだ。
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RSIとサイコロジカルライの相違点とは
左側がRSI ポンド円の日足のチャート右側も同じくポンド円での日足のチャートでこちらはサイコロジカルラインを表示している 。MT4にはデフォルトで入っているインジケーターではないが、比較して見ていくという意味で表示した。このサイコロジカルラインは、パラメーター14にしており、RSIと同じにしている。これは、14日間もしくはローソク足14本の間で価格が上昇した日数と下落した日数から買い方と売り方どちらが強いのかを判断するというものである。例えば 8日間上昇した後に6日下落した場合は単純に買いの方が強いと判断することになる。
サイコロジカルラインの弱点
しかしこれではウィークポイントがすぐに見つかる。例えば8日上昇していたとしても、1日あたりの上昇幅が10 pips だったらその合計の値幅っていうのは80 pipsである。一方で下落していた日数というのが6日であった場合その6日が仮に1日あたり50 pips の下落幅があったとすれば、6日間で300 pips ということになってしまう。これで本当に買い勢いのほうが強いと言えるのかとなればそこには大きな疑問が残る。そこでこのウイークポイントを克服すべく立ち上がったのが ジェイムズワイルダー氏であり開発されたのがこの RSI というインジケーターである。
RSIの計算式
では続いてRSI の計算式の説明をしていきたい。この計算式の意味は、一定期間の上げ幅と下げ幅ここに注目して上げ幅の合計を全変動幅(上昇幅と下落幅を足したもの)で割ってあげてその数値を比率で示したものがRSI だということである。つまりこれは一定期間の変動幅のうち、上げ幅が一体何パーセントなのかというのを分析する指標である。したがってRSIが50%を超えて推移していれば買い勢いが強く反対に50%下回っていれば売り勢いが強いと判断することができる。
価格の平均回帰性を示した確率分布図
RSIに存在する平均回帰の法則
これはドル円の日足を対象とした 直近5年間における確率分布になる。パラメーターは14に設定されており、RSIの数値がどの水準にどれだけの割合で推移しているのかというのを日足を5年分 算出してみた。これを確認することによってRSIが本当にきちんとその役割を果たしているのかを測定することができる。RSIが買われすぎや売られすぎを察知しているのであれば当然平均回帰性があるはずである。平均とは一番突出している部分になる。平均回帰性はいったん大きく上振れた、また下振れた価格が平均値へ戻ろうとする性質のことをいう。平均回帰性があるのであればこの真ん中の50%あたりを 頂点として釣り鐘型の分布を描かなくてはならない。
RSIを違った視点から見ると
今回提示したドル円ではおおよそそれをクリアしているのがわかると思う。ちなみに今回はドル円の事例だが、ユロドルやユーロ円でも同様の分布図となる。これは、RSIをもともと横向きだったものを縦にしたものである。この図を見ると価格が平均値付近に多く滞在しているのは分かるので、平均値から乖離してきたときにはそう遠くない将来に平均値へ戻っていくということは想定できる。つまり平均値から最も離れていて非常に少ない割合でしか滞在されない値つまりは70%以上70から100%の間、 もしくは30%以下のポイントというのは逆張りの戦略を採るために適しているとこれだけ見ると言ってもよさそうである。
RSIの今までの活用方法
RSIの活用方法としては一般的には70%を超えると買われ過ぎだから売りとか30%を下回ったら売られ過ぎだから買いといった逆張りの戦略は一見すると非常に単純な発想にも思うが複数の角度からはじき出されたある意味では精密な手法である。ただ 、 その一方でその戦略にだけ使うというのは非常に短絡的で 無防備であるとも考えられる。70%や30%という水準に注目して仕掛けるということ自体は もちろん正解の一つではあるが、それだけに注目してしまうと理解不足になってしまう。
30%ラインと70%ラインを意識し過ぎた場合の失敗例
こちらはポンドドルの4時間足チャートの事例となる。
この間、ポンドドル下落していてこの30%の水準の買いシグナルにフォーカスした図になる。RSI の一般な買いシグナルというのは、RSIが30%内を下抜けてその後30%内を上抜けたポイントである。
では順番に買いシグナルが確認されたポイントを見ていきたい。この間では1回2回3回と買いシグナル確認されている。まず1回目(①)ここで買いシグナルが確認されている。確かに買いシグナル点灯を一時的に価格を戻しているが、これ以上の利幅を求めようと買いを有していた場合には結果的に下落し含み損となってしまう。
では2回目はどうかというと、2回目もグッと上昇はするが、結果的にトレンドは続かず、水準を切り下げてしまう。
さらに、3回目はどうかというと、ようやく3度目の正直ということで 、その後価格が大きく上昇してますからこれが結果的には3回目(③)の地点がトレーダーが乗るべき局面だったということになる。
ではこのように結果を見て、語るのは非常に簡単なんだが、これが仮にリアルタイムだったらどうだろうか。痛い経験の後の買いシグナルであるから直近2回負け続けて損失を被っているわけだからエントリーを渋っても仕方ない。買いと売りの勢いがどちらか一方に極端に偏るという現象はそう頻繁に発生するものではないので信憑性が高いと言いたいのは山々だが、だからこそダマシにあったときのダメージというのは口座残高的にもトレーダーの自身の記憶にも深く刻み込まれてしまう。苦い経験をすることがあるのは RSI に限ったものではないし、この事例の③のように上手く機能する局面があることももちろん事実である。
これがFXRSIの手法 買いと売りの勢い分岐点活用法だ
RSIというと、このようにデフォルトだと70%30%にラインが自動で引かれるのでどうしてもそこに目が行きがちである。けれどもそれとは別に50%のラインというところにも是非注目いただきたい。
この図をご覧いただくとドル円の1時間足のチャートになるが、この50%のラインを上回っているときは買い勢いが強い、すなわち上昇トレンドであるということ。50%を超えるということは下げ幅よりも上げ幅の割合が大きいからである。一方で50%を下回った水準を見てみると、これは下げ幅の方が上げ幅よりも大きいことを示しているので、当然陰線の方が多いということで、それだけ売られているという証拠であって下落トレンドである可能性が高いということがわかる。その後50%ラインを超えたので水準を切り上げていってこの間は上昇トレンドであるという捉え方もできる。
まとめ FXRSIの手法 買いと売りの勢い分岐点活用法
さらに、エントリーのシグナルとしても活用したいという場合はRSI単一ではなくて、例えばオシレーター系指標とは性格の異なるトレンド系指標などと組み合わせることを強くオススメしたい。