【FX】インジケーターDMIの基本的な使い方や手法を完全マスターしよう

DMI, Directional Movement Indicator. Concept with keywords, people and icons. Flat vector illustration. Isolated on white background.

日本国内ではあまりなじみのないオシレーター系インジケーターのDMIですが、その原因は一体何なんでしょうか。また、そもそも何を教えてくれてどう使えばいいのでしょうか。その点を徹底解説します。

 

インジケーターDMIとは

DMIとは、Directional Movement Index(ディレクショナル・ムーブメント・インデックス)の略称で、日本語訳すると、方向性指数と呼ばれるインジケーターである。 インジケーター の分類はオシレーター系に属するものである。

DMIが示してくれるもの

DMIが示してくれるものは以下の2つとなる。

  • トレンドの有無とその方向性
  • 今現在のトレンドの強弱の状態

つまり、その分類こそオシレーター系指標であるが、マーケットの方向性はもちろんのことそのトレンドの強弱も教えてくれる万能 インジケーター と言える。

DMIの開発者

DMIチャート画像とJWワイルダー氏「マックス岩本講義動画」より引用

この インジケーター を開発したのは、米国のテクニカルアナリストのJ.W.ワイルダー氏である。もともと機械工学を学んでいた人でその後不動産業で成功し、先物市場に参入。先物市場でも成功して1974年トレードリサーチ社を設立した。この会社で多くの有名なインジケーターを世の中に輩出した。

有名なものにパラボリック、PIVOT、ATRなどがあり、代表的なものにRSIがある。

ワイルダー氏は、このDMIの開発は、自身の生涯の中で最も魅了された研究であり、これを完成させたことは最も満足いく成果であったと自らの著書の中で述べている。

インジケーターDMIをさらに詳細に表示してみよう

DMI解説の図「エフテン解説記事」より引用しました

上記のチャートは、MT4上に「DMI」を表示したものとなる。

チャートに表示されたそれぞれのラインは以下のとおりとなる。

  • 青のライン ・・・ +DI
  • 緑のライン ・・・ -DI
  • 黄色のライン ・・・ ADX

これだけでは何がどういう意味なのかさっぱり分からない。このそれぞれのラインが示す意味を詳細に解説していく。

DMIの基本構成がこれだ

それぞれのラインの意味は以下のとおりである。

  • +DI ・・・ 上昇トレンドを示すプラスの方向性指数
  • -DI ・・・ 下落トレンドを示すマイナスの方向性指数
  • ADX ・・・ トレンドの勢いを示す強弱判断の指数

DMIの基本用語の意味

  • DM ・・・  ディレクショナル・ムーブメントの略で方向性を意味する
  • +DM ・・・ 上昇幅の値のこと
  • -DM ・・・ 下落幅の値のこと

DMIの計算式がこれだ

前日の値幅以内に当日の値幅が収まってしまった場合は0としてカウントされる。

  • DM=(当日の高値)-(前日の高値)
  • -DM=(前日の安値)-(当日の安値)
  • +DI=(分析期間の「+DM」の合計) ÷ (分析期間の「TR」の合計) × 100
  • -DI=(分析期間の「-DM」の合計) ÷ (分析期間の「TR」の合計) × 100
  • ADX=「(+DI)-(-DI)」÷「(+DI)+(-DI)」(分析期間の平均値)

なお、ワイルダー推奨パラメータ(分析期間)は14であると言われている。

インジケーターDMIのチャート上での使い方がこれだ

DMIは、トレンドがどのあたりで強まり、どのあたりで弱まるのかを確認するためのインジケーターである

「+DI」が強くなれば上昇トレンドの出現を、「-DI」が強くなれば下落トレンドの出現を意味する。そして「ADX」でトレンドの強さをを確認できる。

トレンドがまだ発生していないときのラインの動き

それでは実際のチャートを使って「DMI」の動きを見てみよう。

上記の画像は、まだトレンドが発生していない時のDMIの動きを捉えたものである。

相場にトレンドが出ていないレンジ帯の時は「+DI」、「-DI」、「ADX」が低水準で横ばいもしくは下降していく。

トレンドの発生とその強弱の確認

上記の画像は、上昇トレンドが始まった瞬間を捉えた画像である。

「ADX」が25のラインを下から上に抜けたタイミング(ADXと25ラインのゴールデンクロス)で、上昇トレンドを意味する「+DI」(青のライン)も上向きになっている。これは「上昇トレンドが発生する初動」を表している。逆に下落トレンドの場合は「-DI」(緑色のライン)が上昇してくる。

トレンドの終焉を捉える

トレンドはいつまでも続くというわけではない。DMIによってそのトレンドの終焉をも捉えることができるのだ。

今まで上昇していた「ADX」が弱まり、やがて下降を始める。これがトレンド終了のサインとなる。このトレンドが弱まったサインが出た後、今までは上昇していた相場ではトレンドが終了し、下落しているのがわかる。

以上のようにトレンドが発生してどのあたりからそれの勢いが強まるかさらにそれがどのあたりで弱まるのかを確認することができるのがこの「DMI」なのである。

インジケーターDMIまとめ

  • インジケーターDMIは、オシレーター系の代表格で、JWワイルダー氏によって開発された。開発者の同氏は、この開発は生涯の中で最も魅了された研究であり、これを完成させたことは最も満足のいく成果だと回想している。
  • DMIは、トレンドがいつ発生したかやそのトレンドの強弱を瞬時に捉えることができる万能のインジケーターといえる。
  • それほど優れたインジケーターであるにもかかわらず日本国内では意外と知られておらず、これを使用するトレーダーも少ない。これは計算式が難解なためであると思われる。

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