ナンピン手法とは何か。その特徴や注意点について徹底解説します。

あなたはナンピンという言葉を聞いたことがあるだろうか。FXや株のトレードの経験のある方なら一度は聞いたことある言葉だ。一般的に、ナンピンというと危険度が大きいトレードテクニックと言われています。でもなぜそう言われているのか、あなたはしっかりと理解できているだろうか。。危険なトレードならやめておいたほうがよいと考えている方が大半かもしれません。しかし、ナンピンの考え方の本質がわかれば、ただの危険度の高い手法ではないことがわかると考えます。ということで、今回の記事では「ナンピン」のトレード手法について、そのやり方や特徴、そして、注意点と「本当にただ危険なだけのトレード手法なのか。」というポイントを徹底的解説します。

ナンピントレードとは

ナンピンを漢字にすると「難平」になる。

「難」というのはトレード上の困難のこと、つまり損失のことを指し、「平」は、それを平均化するという意味がある。

これをトレードに置き換えて具体的に説明すると、保有しているポジションに含み損失が出ていて、その際ポジションをさらに追加してその平均コスト(取得費)を下げることを言う。

※「平均コスト」とは、持っている全てのポジションの平均値を指します。

このトレード方法は後ほど具体的にご説明していきたい。

また、このナンピンについての格言に「下手なナンピンすかんぴん」というものがある。

これは「トレードのテクニックもないのに意味も分からずナンピンすると、ただ、損失が膨らむだけである」という意味で、この格言からもわかるように、ナンピンはリスクを伴うテクニックであることがわかるであろう。

実際、ナンピンは初心者向きのトレードテクニックでないのである。

その反面、ナンピンとは、利益を残していくために有効なテクニックでもある。ただ、それを有効な者にしていくためには根拠のあるナンピンを行っていくことが大前提にある。そのため、ナンピン手法で利益を残すためにはしっかりした根拠を持つことができるかどうかが勝負となる。

ここからは、根拠のあるナンピントレードをするためにはどうすればいいのか、具体的なトレード方法について、解説していく。

FXのナンピントレード

まず、ナンピンの一番の目的は「損失を平均化する」という点にある。

FXナンピンの具体例

例えば、ある相場で価格が上昇トレンドの動きをしていたので、価格が100円の時に買いエントリーをした。しかし、エントリー後、価格が予想と反して逆方向に動き始めた。当然含み損が発生する。

この時、通常のトレーダーの心理としては、エントリーしたときの思惑と実際の相場の流れが違っていたため、少しでも早く損切りをしたいという気になる。またあるいは、場慣れしたトレーダーなら、様子見をするという選択をするかもしれない。

ナンピンのトレード方法はそのいずれでもない。ここでさらに買いエントリーしてポジションの積み増しをする。

今回は説明を分かりやすくするために、価格が90円のところで買い増しのエントリーをしたとする。

「1回目のエントリーの含み損が出ているのになぜ同じ方向にさらに2回目のエントリーするのか。エントリーするならリスクヘッジの面からも売りエントリーではないのか」

と考える方もいるかもしれないので、同じ方向に買い増しする理由について説明していく。

何度も繰り返す通り、ナンピンとは損失を平均化することである。

今回の場合、1ドル100円の時と90円の時にエントリーをしたので、この2つの平均購入コストは、

100円 + 90円 ÷ 2 = 平均コスト95円

となる。

100円のポジション1つだけの平均コストを考えると、100円のままになるが、90円のポジションを買い増ししたことで、平均コストの金額が100円から95円に下がったこととなる。

平均コストが下がることのメリット

それでは、平均コストが下がることによるメリットは

プラスマイナスが『0』になりやすく、さらには利益も出しやすくなる

ということである。

例えば、今回の例だと、100円の時に買いエントリーした時に90円に価格が下がったが、その後少し回復して95円となった。その際の含み損の金額は、

エントリー価格 100円-現在価格 95円 =5円の損失

となる。

しかし、価格が90円のところでナンピンをすることで、実際の購入コストが100円から90円に下がり、現在の相場の水準が95円だとすれば10円だった含み損が5円になる。つまり

現在のレート95円-買い増しによる価格90円=5円の利益

となる。結果、両方で±0となり、含み損が打ち消しとなるわけだ。

言葉だけで説明したのではわかりにくいため、図で説明すると以下のようになる。

「エフテン」記事解説図を改訂して引用しました

つまりさらにわかりやすく言えば、1つ目のポジションは、100円で買いエントリーし、相場のレートが平均コストの95円に到達したとすると、損失が-10円から-5円となる。

2つ目のポジションは、90円での買いエントリーで、相場のレートが平均コストの95円に到達した時、含み益となり+5円となる。

これにより、この2つのポジションの損益を合わせれば「5 – 5 = 0」となり、相場が95円にまで戻れば、この2つのポジションの損失は打ち消されて0になる。

このようにナンピンをすることで、平均コストが下がり、、少しの値動きで、損失の相殺ができる。

さらにこの状態から相場が持ち直して、価格がさらに上昇すれば、最初のポジションからマイナスでも、2回目に買い増しした分がプラスのため、利益を出すこともできる。

FXナンピンまとめ

ナンピン手法は、以前から初心者には無理な手法とされてきました。しかし、「下手なナンピンすかんぴん」という格言にもある通り、何も考えない無計画なナンピンは初心者だけでなく中級者以上でも危険であることがわかります。チャートをよく観察して、「ここからここまでの範囲なら〇回までとする」といったような計画的なナンピンであれば有効に作用するのではないかと考えます。要はやり方次第で大きな武器に変えられます。皆さんも積極的に使ってみてください。

最初のコメントをしよう

必須