FXグランビルの法則②とは?テクニカルチャートとともに解説

グランビルの法則とは

JEグランビル氏写真

今から50年以上前にアメリカの証券アナリストであるJEグランビル氏によって提唱された手法で、200日移動平均線と価格の位置関係から相場のトレンドや売買タイミングを捉えようとするものである。今でこそ200というパラメータは当たり前になっているが、当時はとても斬新な値であったと思われる。ただし、グランビルは200日移動平均線を対象にこの手法を考案したが、このパラメータ以外でも、またあらゆる時間軸を使っても活用することはできる。

この移動平均線を使った手法であるグランビルの法則には買い・売りそれぞれ4つのパターンがあって合計8つのパターンから成り立っている。いずれも移動平均線の特性を生かした売買シグナルではあるが、中には注意すべき点も含まれるので、1つ1つ詳細に解説していく。

グランビルの法則8つのパターン

「投資で生きる」マックス岩本講義動画より引用

買いシグナル①

赤いラインが価格、もう一つなだらかに下落している線が移動平均線である。移動平均線が一定期間にわたって下落したときに横ばいに転じるかもしくは穏やかながら上昇に転じた時に価格が移動平均線を下から上抜けた時を買いシグナルとするものである。これこそが典型的な買いシグナルとなる。移動平均線が一定期間に下落した後にトレンド転換を示唆するシグナルになるので、注目度が高いシグナルである。

買いシグナル②

上昇を続ける移動平均線に対して、価格が一時的に上から下抜けた時を買いシグナルをするものである。一見価格が移動平均線移動平均線を下抜けるということでいわゆるデッドクロスにも見えるが、この局面では移動平均線が上昇を続ける中で確認されているため、いまだ買い勢いが強い状態であるということを示唆する。見方を変えれば子のデッドクロスはダマシであって移動平均線の傾きから再び上昇に転じると予測したうえでの買いシグナルである。

ただし、価格が移送平均線を割り込んだということには変わりないので局面によってはこのまま下落してしまうケースもあることからこれは①の買いシグナルよりも弱い買いシグナルであると理解しておく必要がある。買いシグナル②は注意すべきシグナルである。

買いシグナル③

価格が上昇基調で移動平均線の上を推移する中、その後移動平均線に向かって価格が下落したものの、移動平均線を割り込むことなく再度上昇を始めた時、これを買いシグナルとするものである。

買いシグナル③に比べると、移動平均線の下値支持、いわゆるサポートラインとして意識されたことを確認された後の押し目買いのシグナルとなることからトレンドの継続性、信ぴょう性は高い。

買いシグナル④

価格が下落基調の移動平均線の下で推移する中、さらに移動平均線から大きく下方乖離したときこれを買いシグナルとするものである。価格の方向性こそ移動平均線を下回っているので明らかに下落トレンドであるが、移動平均線には価格が一定以上移動平均線から離れると価格が移動平均線に向けて戻ってくるという特徴があってその性質を利用した売買シグナルということになる。

ただこのシグナルは、急落局面に対する一時的な戻りを狙っていくようなシグナルになるため、下落トレンドの最終で確認される売買シグナルであることを念頭に置く必要がある。あくまで大きな流れは下向きでその中の戻しを取りにいくためのシグナルであることに注意をする。

また、移動平均線から大きく乖離した局面とは言っても通貨ペアや採用している時間時軸によってその有用な乖離率、利幅は異なることから安易な逆張りは禁物であることは言うまでもないし、しっかりと検証を重ねたうえでこの買いシグナル④を採用することが重要である。

さらにこのような価格と移動平均線の特徴からエントリーポイントを見出そうとするテクニカル指標にはエンベローブというものがある。移動平均線から派生したものであり、MT4にはデフォルトではいっているテクニカルツールとなる。乖離率の観点から各通貨ペアの傾向を捉えるためには最適なインジケーターになる。

次は売りシグナル4つであるが、これらは4つの買いシグナルの全く逆になる。

売りシグナル⑤

これは典型的な売りシグナルである。移動平均線が上昇から横ばいになって下落し始める中で価格が移動平均線を上から下抜けたポイントを売りシグナルとするものである。

売りシグナル⑥

下落基調の移動平均線を価格が下から上抜けたタイミングつまり価格が再び下落するのではないかと予測して売っていくというものである。これは買いシグナル②の反対のシグナルになる。いわゆるゴールデンクロスともとらえられる局面であるため注意を要するシグナルとなる。

売りシグナル⑦

下落基調の移動平均線に価格がいったん値を戻したものの、この水準(移動平均線の位置)がいわゆるレジスタンスとなって反落したものを売りシグナルとするものである。

売りシグナル⑧

買いシグナル④の反対となる。価格が移動平均線から大きく上方乖離した局面を捉えて売っていく、つまりまたいずれ移動平均線の水準にかけて平均回帰するのではないか、そういう思惑でエントリーしていくようなシグナルになる。

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FXグランビルの法則まとめ

  • グランビルの法則は、今から50年ほど前アメリカのJEグランビル氏によって発表された手法である。
  • グランビルの法則には売り買い合計8種類のパターンが存在する。
  • グランビルの法則は、そのパターンが出現したから買い売りではなく、注意点も多数ある。中でも注意すべきは買いシグナル②と売りシグナル⑥である。
  • 逆に信憑性が高いシグナルが買いシグナルの④と売りシグナル⑦となる。

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