FX最適なピラミッデイング手法をそのメリット・デメリットとともに解説します

ピラミッディングという手法をご存知だろうか。ポジションの積み増しを行う手法となるが、その点ではナンピン手法に近いものがある。しかし、ナンピン手法との決定的な違いはその目的にある。つまり、ナンピンは平均単価を下げることで損失を薄くするために行うものである。これに対してピラミッディングは、勝ちを広げるために行うものであるということを理解していただきたい。

FXピラミッディングとは

FXピラミッティングとは、次のポイントを押さえた上でのFX手法である。

  • 含み益が出ている方向への買い(売り)増しをすること
  • 平均取得単価を押し上げる(ナンピンの逆)

FXはトレンドに乗ることが非常に重要である。トレンドに上手く乗ってエントリーできると、保有したポジションはすぐに含み益に変わる。そこからさらにポジションの積み増しを行い、より大きな利益の獲得を目指すのがピラミッティングである。

FXピラミッディングの種類

FXピラミッディングには大きく分けて3つの種類がある。

  • スケールダウンピラミッディング
  • 逆ピラミッディング
  • イコールポジションピラミッディング

この3つに共通しているのは、どれもポジションの積み増しを行うと言った点である。しかし、どれを選択するかによってリスク度合いが異なってくる。以下詳細に説明していこう。

スケールダウンピラミッディング

スケールダウンピラミッディングとは、初回のエントリー以降積み増しのロットを少しずつ落としていく手法である。

1回目のエントリー:3ロット

2回目のエントリー:2ロット

3回目のエントリー:1ロット

ピラミッティングをおこなう相場環境はトレンド相場であることが前提となる。しかし、当然のことながら、長期になればなるほどトレンド転換の可能性が高くなる。そこで、時間が経過するに連れてポジション量を少なくして、損切りのダメージを抑えるというのが、スケールダウンピラミッティングとなる。

逆ピラミッディング

逆ピラミッティングとは、初回のエントリーから、少しずつロットを増やしていく手法である。

1回目のエントリー:1ロット

2回目のエントリー:2ロット

3回目のエントリー:3ロット

相場のトレンドは長続きせず、トレンドの転換に伴い含み損を抱えるリスクを考えると、この逆ピラミッティングはあまりおすすめできる手法ではない。調子が良い時ほど、エントリーは冷静かつ慎重に行なうべきである。

イコールポジションピラミッディング

イコールポジションピラミッディングとは、初回のエントリーから、同量のロット数を買い増しする手法である。

1回目のエントリー:1ロット

2回目のエントリー:1ロット

3回目のエントリー:1ロット

ナンピンの逆ともいえる手法であり、ピラミッティングとしてではなく、多くのトレーダーが無意識うちに取り入れている手法と言える。

FXピラミッディングのメリット

FXピラミッディングのメリットとして次の3点が考えられる。

  • 爆発的に利益を稼ぐことができること
  • 機会損失を防止できること
  • ポジション握力の強化

以下詳細に説明していく。

爆発的に利益を稼ぐことができること

ピラミッティング最大のメリットは、短期間で大きな利益を稼ぐことができるという点である。なぜなら、得た利益をさらに再投資することでより大きなロットで投資することになるからである。実際有名トレーダーの多くはピラミッティングによって財を成すことに成功している。例えば、「世紀の空売り王」と呼ばれたジェシーリバモア氏は生涯において4回の破産と再起を繰り返したと言われている。これもピラミッティングがなかったら成しえなかったであろう。

機会損失を防止できること

あの時エントリーしていればとか「利確が想定以上に早すぎた」などの公開した経験はないだろうか。相場の格言に「利食い千人力」というのがあるが、だからといってチキン利食いは推奨しない。トレンドが発生している時は、しっぽまでというのがピラミッティングの持つ強みである。逆に、ポジションを焦って保有してしまうなどの俗に言うポジポジ病には要注意である。

ポジション握力の強化

ピラミッティングを経験することでポジションを保有し続ける力であるポジション握力が強化される。ピラミッティングを行う時点で、強いトレンドが確認できまたそれが継続すると見込んでいるからこそ、ピラミッティングを行うのであり、ピラミッティングをするやすぐに利益確定(決済=ポジションを手放す)していては、運用に矛盾が生じる。つまりピラミッティングができるトレーダーは、トレンドの分析に自信を持てて、なおかつチキン利確に抗う強い意志力を構築できる人に限られるのである。

FXピラミッディングのデメリット

FXピラミッディングのデメリットとして以下の点が挙げられる。

  • リスクが増加すること
  • トレンド相場に限定されること
  • ポジポジ病になりやすいこと

以下詳細に説明していく。

リスクが増加すること

一番のデメリットは、ロスカットのリスクが増えてしまうことである。

ピラミッティングをすることにより保有ポジションが増加すると、証拠金維持率を圧迫することになり、さらに一定水準を割り込むと強制ロスカットになってしまう可能性が高くなる。そのため、十分な資金力、あるいはトレンド相場への確信がない場合は、控えたほうがよいと考える。

トレンド相場に限定されること

ピラミッティング手法はトレンド相場に限定されるため、使用頻度はそれほど高いものではない。相場の70%はレンジ相場であると言われているからだ。また、トレンドの出現には、短期足よりも上位足のチェックが欠かせないものとなる。そのため、実際にポジションを持つチャンスが少なく、トレンドが発生するまで待たなければならない。

ポジポジ病になりやすいこと

ポジポジ病とは、常にポジションを持たないと気が済まない状態をいう。ピラミッティングでポジションを保有していると、早く次のエントリーをして、さらにポジション量を増やさなくてはいけないとか折角トレンドが出たのだから、ピラミッディングしないともったいないなどと考えるかもしれない。しかし、FXで長く継続するトレンドはなく、逆にトレンドは必ず発生する。つまり、資金がある限り、チャンスは何度でもあるはずで、特にFXトレード初心者の方は、ピラミッティングでリスクを増やすよりも、資金管理をもっと重要視すべきだと考える。

FXピラミッディングまとめ

  • FXピラミッディングとは、トレンド相場でポジションを積み増ししていく方法をいう。
  • ポジションを積み増ししていく手法であるため、トレンド相場ならば利益を爆発的に増加させることも可能であるがその反面、ポジションを多く持つことから、資金管理が難しく、リスクを伴う手法であることを忘れてはならない。
  • よって、トレーダー初心者は安易に手を出す手法ではない。初心者はまず資金管理に重点を置いてある程度トレード経験を積んでからその手法を使うということでも遅くはない。

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