【FXポジション決済】損益確定のタイミングについて徹底解説

ＦＸポジション決済とは

ＦＸポジション決済とは、ＦＸトレードにおいて保有するポジションを解消する方法のことで、２種類のものがある。

利益確定はその名の通り、結果トレードでプラスの利益の時、反面損失確定の決済は、損切り設定にかかった時なので、トレードのマイナス決済ということになる。

FXでは資金管理が重要になることから、まずは損失確定の決済が最重要となってくる。

ＦＸポジション損失確定決済

損失確定を行うときに、トレーダーは損失を確定しなくてもそのうち利益に転じるから決済しなくていいだろうと考えているかもしれない。

ここで重要なのは損失を確定しなくても、そのうち利益に転じる可能性があるという考えではなく、今損失を確定しなければ、さらに損失が大きくなる可能性があるということだ。

損失を確定しなくても、そのうち利益に転じる可能性があるは含み損を抱えたままポジションを保有し続ける、いわゆる塩漬けの始まりである。相場は24時間動いているし、明日も相場はある。ポジションを持った方向とは違う方向に相場が動いて含み損が出ているということはポジションの方向が誤りだったという可能性もある。その際は自分の損失を確定して次のトレードの戦略を立てていくべきだ。

ＦＸポジション利益確定決済

次に、利益確定の決済について解説をする。

よく、利益を確定しなければもっと利益が多かったということをよく耳にする。しかし、その利益確定がしっかりとした根拠に基づいたものであれば、全く問題ないと言える。それよりも、決済ルールの局面になったのに根拠がなくさらに価格が伸びると思って利益確定をせず、結局損切りになるような事態は避けるべきだ。

また、逆に早く利益を確定しすぎてしまうと、安定して利益を稼ぐことができなくなる。例えば、利益が損失になることを恐れて早く利益確定をしてしまうチキン利食いである。要はしっかりと根拠を持って決済するのが重要だ。

しかし、経済指標などを加味するような早い利益確定は根拠に基づいているため、チキン利食いとは違うものとなる。何度も繰り返すようであるが、相場状況を判断して根拠がある決済を行うことが重要となってくる。

ＦＸポジション決済とプロスペクト理論

塩漬け、チキン利食いという言葉があるのも、それだけ、そのようなトレーダーが多いからではないだろうか。そこでＦＸポジション決済とプロスペクト理論の関係について説明していこう。

プロスペクト理論とは

プロスペクト理論とは「人間は利益を得られる場面ではリスクの回避を優先し、反対に損失になってしまう場面では損失を可能な限り回避しようとする」という行動経済学の理論である。プロスペクト理論を語る際に必ず登場する例題がある。

いずれを選択するのが合理的かをはかる尺度として利用されるのが、期待値という概念である。それぞれのケースで期待値を考えてみよう。

ケース１の場合、Ａの期待値はそのまま100万円、Ｂは200万円×１/２+０×１/２＝１００万円でいずれも100万円となる。

ケース2の場合、Ａの期待値は100万円（１００万円の借金＝△１００万円）であり、Ｂは０×１/2+△２００万円×１/2＝△１００万円となり、いずれのケースも期待値は変わらないということになる。

しかし多くの人が、ケース1では「A」ケース2では「B」を選ぶと言われている。 

「プロスペクト理論」によれば、人は投資行動を取ったとき、利益が出た場合、それを減らしたくないと考え、損失が出た場合「元々負債があるのだから、無くなる可能性に賭けたい」といった心理が働くと言われている。

この人間心理があるからこそ、多くのトレーダーは利益を伸ばせず（チキン利食い）、また含み損を損切することなくいつまでもポジションを保有（塩漬け）してしまう。

このように、人間の投資行動のような経済活動がどんな心理に基づいて行われるかを説いた理論がプロスペクト理論である。

しかし、人間がこのプロスペクト理論に沿って投資行動をすると、損大利小の結果になってしまう。そこでそれを防ぐためにいろいろな対処方法があるが、その１つにトレール注文というのがある。

トレール注文とは、相場の値動きに応じて、既に設定した利益確定ラインや損切りラインを追従させる注文方法である。追従させる変動幅については任意に設定可能なので、自動で含み益を伸ばして同時にリスク管理もしたい方におすすめである。

ＦＸポジション決済まとめ