平均足とは何か?ローソク足と何がどう違うの?その活用法を徹底解説!

平均足とは

ローソク足の一部を平均化した足のことで日本古来のチャート分析法である。

起源は定かではないが、開発者は生糸相場で莫大な利益を挙げた相場師であると伝わっている。

平均足解説の図「マックス岩本講義動画」より引用

上記の図は、ドル円の15分足に平均足を表示したものであり、通常のローソク足とは若干計算式が異なる。

背後に表示されている緑色のラインは、通常のローソク足の終値だけを結んだラインチャートである。

平均足の特徴

一定期間トレンドが継続すると、同じ色の足が一定期間継続して並ぶので、トレンドが視覚的に認識しやすい。

また、ヒゲの長さや実体部の大きさでトレンドの強弱を捉えることができるインジケーターということになる。

平均足は、移動平均線やトレンドラインほどポピュラーではないが、テクニカル指標の中では有名なインジケーターの1つになる。

ただ、平均足の理解のためには、この平均足の基となっているローソク足の理解が欠かせないものになってくるので、まずはローソク足の解説から始めよう。

平均足とローソク足の問題点

ドラゴン先生

ここからはしばらく平均足の基本となるローソク足の特徴やそのデメリットなどについて説明していく。

マックス岩本講義動画より引用

ローソク足は、江戸時代の米相場で発明されたとされる純日本製のテクニカル指標の代表格である。ローソク足には、ご存じの通り、陽線と陰線があるがこれを表示しただけで、ある時間帯にどのような値動きをしたかを確認することができる。

ローソク足の問題点解説の図 を見ていただきたい。赤い枠線で囲った間というのは①短い下ヒゲの陽線②長い下ヒゲ陽線を確認しているが、これらは単線分析ではトンカチといい、下ヒゲが長いので、大底なら買いを示唆するものとなる。このように、ローソク足はトレンドをうまくとらえることができないため、中期的・長期的な分析には向かないツールということがここでわかるだろう。これを改善して応用したものが平均足ということになる。

平均足とローソク足の比較

この画像は左がローソク足、右が平均足のチャートである。

左側のローソク足チャートは、価格が一旦反発して高値をつけた局面であるが、ここから先下落するのかさらに反発して上に上昇するのかこの相場に出くわした場合、これからどちらに動くのか判断できない。

しかし、右側の平均足チャートをみると、陰線が連続して表示されるため、今トレンドがどちらの方向なのかがはっきりとわかる。この例なら、下落トレンドだということが一目で判断できるわけだ。

平均足はどうやって計算されるのか

マックス岩本講義動画より引用

高値安値はローソク足と変わらず

平均足において、高値と安値の水準は、通常のローソク足と同じものを採用する。よって、上の例からいくと、平均足の高値も101円であるし、安値も97円ということになる。赤と青にしているが、どちらも陽線であり左が平均足、右がローソク足となる。まずはローソク足だが、98円で始まって97円まで下値を探りその後101円という高値をつけて100円で終わるという図である。

具体的な計算式と特徴

  • 平均足の当日の始値=1本前の平均足の高値・終値の平均値
  • 平均足の当日の終値=(当日の始値+高値+安値+終値)×1/4
  • 通常のローソク足からデータを持ってきて算出する。
  • 始値は平均足から算出したが、終値は通常のローソク足からデータを持ってくる点に注意を要する。
  • 通常のローソク足と比べると、始値の位置と終値の位置が異なる。
  • 平均足は、同じ陽線であるが、始値と終値を平均しているので、陽線の場合は上ヒゲが長く、陰線の場合には下ヒゲが長くなる傾向になる。

平均足のメリット

前述したように、ローソク足だと、細かな値動きがあるため、陽線あるいは陰線が連続して表示されないため、大きなトレンドを掴むことが難しいのに対して、平均足は、名前の通り始値~終値を平均化してしまうため、陽線あるいは陰線の連続が表示され、トレンドが掴みやすい。またそのほかに以下のメリットがある。

  • 実体部のヒゲの長さによってトレンドの強さを認識できる。
  • 陽線で長い上ヒゲを伴っている局面は強い上昇を示唆し、陰線で長い下ヒゲを伴っている場合には強い下落を示唆することがチャートからわかること。
  • 陽線だが下ヒゲを伴っているものは一旦買い一服であり、陰線で上ヒゲを伴っているものは一旦売り一服ということがチャートからわかること。

平均足のデメリット

上のようなメリットがある反面デメリットもある。

  • ローソク足では上昇トレンドの間でも定期的に陰線が確認されたりと実際の値動きを見ることができるが、平均足は始値~終値を平均化しているため、細かい値動きは把握できない。
  • 陽線から陰線の、陰線から陽線へのトレンドの転換点が若干遅れて表示される傾向があるため、正確なトレンドの転換点が把握しずらい。節目と呼ばれる水準も、上述のような性質を持っているため、認識しずらい。

平均足のまとめ

平均足は日本の生糸相場から生まれた日本古来のインディケーターである。

大きなトレンドを掴むのには適しているが、細かな値動きを見るのには適さない。しかし、上ヒゲや下ヒゲなどの意味がローソク足と相違しておりそれなりの意味合いが存在する。

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