【ドルインデックス】 チャートの活用法について解説
FXでは、基軸通貨のドルの動向を知ることが重要になってきます。今現在が果たしてドル高なのかドル安なのかを判別するための指標がドルインデックスと呼ばれるものです。トレード戦略を作るうえで、ドルインデックスの活用方法を知ることで、負けにくい行動をすることができるようになりますので、ドルインデックスの知識をぜひとも身につけてください。
目次
ドルインデックスとは
ドルインデックスとは、円やユーロ・ポンドなどの主要通貨に対するドルの有する価値を数値化したものである。例えば、ドル円の為替レートが上昇すると「ドル高円安に傾いた」と考えることができるが、これだけではドルの価値が上がったのか円の価値が下がったのかは一概に判断することができない。そこで登場してくるのが、ドルインデックスという指標であり、為替レートの変動要因がどちらの通貨にあるのか確認することができる。
基本的にドルインデックスは、価格の上昇局面ではドルの需要が高まり、下落局面では売られる傾向にあるということをまず抑えておく必要がある。またドルインデックスの特徴として、金(ゴールド)の価格や米国株価指数と逆相関の関係があるということも知られているため、これを覚えておくとほかの市場でも有利に立ち回れることとなる。
ドルインデックスの活用方法
ドルインデックスを確認すると、重要なポイントが2つある。
- 有利な通貨ペア
- 環境認識
である。それぞれ勝率を高めるために非常に重要なので、詳しく説明していく。
有利な通貨ペア
FXで最も有名なドルインデックスの活用方法は、より有利な通貨ペアを選択するというものだ。
例えば、今GBP/USDの上昇トレンドとEUR/USDの上昇トレンドだとしてエントリーするのならどちらを選ぶべきだろうか。
ただ、これだけの情報では判断材料にかけるのでどちらを選ぶかのが良い選択なのかということはわからない。ここで活用するのが、ドルインデックスである。
ドルインデックスが下落していれば、ドルが弱わっているためにGBP/USDとEUR/USDが相対的に上昇したとはっきりとわかる。
一方で、ドルインデックスに大きな変動が見られない時、GBPやEURといった通貨の需要が高まっていることでこの2つの通貨ペアが上昇していることがわかり、ショートをするといった逆張り的なトレードはやらない方が良いということがわかる。
環境認識
環境認識とは、相場が今どのような状況にあるのかを把握することをいう。
そして週足などの上位足のドルインデックスを確認することも、環境認識の1つである。
例えば2000年代前半は、ドルの価値が強く、有事の際もドル買いに動く傾向があったことがうかがえる。しかしリーマンショック以降、ドルの価値がさらに弱くなっていったことがわかるだろう。
このようにドルインデックスを通じた環境認識は、市場の資金がどこへ流入したのかとか、歴史的な相場の有事における影響の度合いについて知ることができる。
特にFXでは、いきなり◯◯ショックと呼ばれる大きな変動が訪れるので、そういった有事の際は基軸通貨のドルが買われるのか、それ以外の通貨なのか、事前に把握しておく必要があるだろう。
ドルインデックス注意点
ドルインデックスの数値は、公表する機関によって違ってくるという点要注意だ。なぜかというと、ドルインデックスを公表する機関にはインターコンチネンタル取引所 (ICE) 、アメリカ連邦準備制度理事会 (FRB) 、国際決済銀行 (BIS) などがあるが、それぞれ独自の方針で算出しているからだ。
これらの主な違いはというと、構成する通貨の種類や割合などだ。
例えば、インターコンチネンタル取引所 (ICE) のドルインデックスは6通貨でだが、アメリカ連邦準備制度理事会 (FRB)では26通貨で構成されている。
ただ、数値が異なるからといって、ドルインデックスの用途に違いはないと言える。要は自分の基準とする機関を決めたらそれを変えないことである。避けるべくは、毎回ドルインデックスの参照元を取っ替え引っ替え変えることなのだ。
ドルインデックスまとめ
FXを勝つことにおいてドルインデックスの知識は必須ではないが、エントリーをするうえで重要なエントリー根拠となりうるものである。