積み立てFXとは?メリット・デメリットやおすすめの通貨などを解説
2022年3月辺りから、円安が加速しており、円の価値が下落傾向にあります。このような状況下であれば、
円だけで資産を持つのは危ないかも知れない
少しずつ円を外貨に替えておきたい。
この考えは正しく、また今後においても主流になっていくと思われます。そこで今回は、円を外貨建てにする方法として「積み立てFX」というものを紹介していきます。FXほどリスクが高くなく、また外貨預金よりも稼ぎやすい運用手法となっています。参考にしてみてはいかがでしょうか。
目次
積み立てFXとは
積み立てFXとは、契約時に設定した内容で一定期間に決まった金額の外貨を積み立てる運用手法である。
FXといえばレバレッジを活かして口座に入金した資金の何倍かの金額をトレードできることが魅力の取引である。その一方でリスクが高く、手を出しにくいイメージを持っている人が多いかもしれない。
しかし積み立てFXであれば、通常のFXと比べてリスク管理がしやすく、誰でも安心して取引することが可能である。
難しい分析も必要なく、基本的には一定の金額を一定期間積み上げる運用となる。
積み立てFXの特徴とは
積み立てFXには大きく分けて3つの特徴がある。
- 期間は定期かつ金額は定額であること
- レバレッジは3倍であること
- スワップポイントの金利収入を得ることができること
以下詳細に説明していく。
期間は定期かつ金額は定額であること
円を外貨に積み立てる金額、また積み立てる期間をどれくらいにするか自由に決めることができる。
この「定額かつ定期」というのが1つのポイントであり、ドルコスト平均法を用いた運用手法である。ドルコスト平均法とは、金融商品を購入で、一度にまとめて購入せず複数回に分割して、均等額ずつ買い付ける手法であり、「定額購入法」ともいう。この運用手法を意識することで、高値掴みや買い時の機会損失を防ぐことができ、安定した運用結果となる。
レバレッジは3倍であること
FXでは、証拠金を担保にレバレッジ(最大25倍)を活用して、自己資金以上の金額で外貨を売買する。
レバレッジを効かせずに運用すれば、リスクは低くなるものの、外貨預金と何ら変わりなくなるのでそれほど利益は出なくなる。
積み立てFXではレバレッジが3倍までということで比較的ローリスクであり、福利運用も行いやすいため、そこそこの運用パフォーマンスを期待できる。
スワップポイントの金利収入を得ることができること
積み立てFXでも通常のFXと同じく、スワップポイントによる金利収入を得ることができる。元本にスワップ収入が加算されていくため、それを複利運用することにより、パフォーマンスもさらに上がることとなる。実際トレードを行わずにスワップポイントの収入だけで生計を立てる投資家も多くいると思われる。もっとも構築しやすい不労所得の1つである。
積み立てFXのメリットとは
以下の3点が挙げられる。
- 手間も時間もかからないこと
- ローリスクで運用できること
- インフレ対策になること
以下詳細に解説する。
手間も時間もかからないこと
通常のFXでは、エントリーポイントを探るために、経済指標相場環境のチェックが常に必要となる。日中忙しいサラリーマンは、そういった時間を確保するのが難しくなる。しかし、そんな悩みを解決するのが積み立てFXとなる。「運用通貨ペア」「積み立て金額」「積み立て期間」を設定するだけで、自動買い付けが行われる。時間も手間もかからない、誰でも簡単にできる運用スタイルといえる。
ローリスクで運用できること
FXは一般にリスクが高いため、投資初心者では手を出しにくいということがある。確かに、高値圏内でポジションを取得してしまい、その後下落して大きな含み損になってしまうことはよくあることである。しかし積み立てFXでは、このリスクを小さく抑え、上述したドルコスト平均法を意識した運用手法となる。
インフレ対策になること
「有事の円買い」という投資格言はもはや過去のものとなりつつある。
経済状況から見てこれからの日本の衰退は明らかである。通貨の価値は国力を反映しているので、日本円の価値も徐々に目減りしていくことが予想される。そこで、円安・インフレ対策として特に有効なのが積み立てFXである。
積み立てFXは1通貨単位という少額から運用可能であり、なおかつ様々な通貨ペアを保有してリスクヘッジに努めることができる。
積み立てFXのデメリット
次の4点が挙げられる。
- 元本保証ではないこと
- スプレッドが広いこと
- 売買タイミングが原則固定であること
- 大きく稼ぐことができないこと
詳細に説明していく。
元本保証ではないこと
積み立てFXは、元本が保証されてはいない。
運用する通貨の値動きに大きく左右されるので、損失が発生する可能性も十分にあるのだ。
例えば積み立てFXで選んだ通貨の国がいきなり戦争に巻き込まれると、一気に通貨価値を落とし下落する。
加えて積み立てFXは、長期的な運用となるため、短期的かつアクティブに取引したい方や出金を頻繁に繰り返す方は、向かない投資と言えよう。
スプレッドが広いこと
積み立てFXのスプレッドは、通常のFXと比べるとかなり広くなっている。
通常のFXトレードをされている方からすれば、少し高く感じるかもしれない。しかし、外貨預金と比較すれば、そのコストは小さくなる。このスプレッド幅をどう捉えるかであるが、自動的に積み立ててくれるサービスの対価と考えれば納得いく広さではないだろうか。
売買タイミングが原則固定であること
積み立てFXは、そもそも一定の時期に一定金額で外貨を購入する取引である。しかし、個人の裁量でトレードする通常のFXとは全く違うものになることを理解してもらいたい。通常のFXを普段からしている人は、価格の上下動に一喜一憂しながらトレードするのがFXの醍醐味だと、思うかもしれない。しかし、通常のFXとは当然のことながら全く違う性質の投資商品であることを理解してもらいたい。
大きく稼ぐことができないこと
積み立てFXは、通常のFXとは違い、短期間で大きく稼ぐ投資スタイルではない。長期的に利益を積み立てて安定的に利益を得る運用になるため、ある程度忍耐も必要となるかもしれない。また、レバレッジも通常のFXが上限25倍であるのに対し、積み立てFXは最大でも3倍と、資金効率が悪いという点もデメリットの一つである。
積み立てFXまとめ
- 積み立てFXとは、一定期間に決まった金額の外貨を積み立てる運用手法である。
- 通常のFXに比べ、リスクが小さく、手間もかからず手軽にできる。また、最近の円安傾向で通常の為替差益のほかにスワップポイントも取ることができるとして注目されている金融商品である。
- デメリットとして、通常のFXに比べ、スプレッドが広いこと、一定期間、一定金額の積み立てとなるため、売買タイミングに裁量が効かないこと、レバレッジが3倍しかないことから資金効率が悪いということが挙げられる。