【FXの両建て手法とは】利益を出せる方法を紹介します

あなたは両建てというトレード手法を目にしたことがあるだろうか。両建てとは、同じ通貨ペアで同時にロングポジションとショートポジション、つまり買いと売りのポジションを同時に保有することを言います。両方のポジションを同時に持つと利益と損失が相殺され何も利益が出てこないのではと思われる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、この両建てを戦略的に使うことで、損失を最小限に抑えながら利益を狙うことが可能となります。そこでこの記事では、FXトレードを始めたばかりの初心者の方でも今日から使えて、利益が出せる両建て手法を2つご紹介していきます。

FXの両建て手法とは

FXの両建てとは、買いポジションとと売りポジションの両方を同時に保有する方法をいう。したがって、価格がどちらの方向に動いても利益になってしまう方法となる。ただし、日本国内のFXブローカーの中には両建てに対応していないものがあり、両建てをしようとすると先にエントリーしているポジショが決済されてしまう。国内のFXブローカーが両建てに対応しているかどうか確認する必要がある。その方法として、デモ口座などで両建てを試してみるか直接問い合わせて確認してみるのをおすすめしたい。

FXの両建てを使った2つの手法

両建てには2つの方法がある。

  • トレンド相場の性質を利用する方法
  • 指標発表のタイミングを狙う方法

以下詳細に解説していく。

トレンド相場の性質を利用する手法

まず、両建ての基本的な手法として、トレンド相場を利用したものがある。

相場が 上がる傾向にあるのを「上昇トレンド」、下がる傾向にあるのを「下降トレンド」と呼ばれている。

これらのトレンド相場は、どちらも常に直線けではなく、細かな上下動を繰り返して波のように動いているのが特徴である。そして、両建てを使ったこの手法は、このトレンド相場の性質を利用したものだ。

手順は以下の通りになる。

まず買いと売りの両方のポジションを取得する。しばらくすると、価格が上昇する局面になってきたので、相場の動きに合わせて、「売り」ポジションを先に決済する。

そして、残りの「買い」ポジションをそのまま保有し、合計の損益がプラスになったところで決済すすることで完了する。

このように、2つのポジションをコントロールして保有し、相場の動いた方向によって、「買い」と「売り」の両方で損失を抑えて、利益だけを狙う。これが、トレンド相場の性質を利用した両建て手法となる

指標発表のタイミングを狙う手法

FXの両建てを利用したもう一つの手法は、経済指標の発表前を狙った両建て手法である

経済指標の発表後というのは、相場が大きく変動することは一般的に知られているし、実際大きく値が動いている。大きく相場が動くということは、利益を獲得する大きな機会でもある反面、逆に損失を出す可能性もある局面と言えよう。

そのため、大きな指標発表前になると、多くのトレーダーはそれまでに保有しているポジションを決済して、相場の急変動に備えている。

しかし、両建ての手法を使うことで、こうした指標発表前の相場が上がるか下がるか方向がわからない時でも、決済時期次第で大きく利益を出すことができる。

指標発表時の両建て手法の手順は、具体的には以下のようになる。

  1. 指標発表前に、「買い」と「売り」両方のポジションを保有する
  2. 指標が発表され、相場が動いた時点で、損失が出ているポジションを決済する
  3. もう一つの含み益が出ているポジションは、2.の時点で発生した損失を利益が上回った時点で決済する。

FXの両建て手法のメリット

今まで述べてきたように、FXの両建て手法にはメリットとしてトレンド相場で利益を上乗せできることと相場の方向がわからない経済指標にも対応できる点を挙げたが、他にもこんなメリットがある。

  • スワップポイントのリスク回避できること
  • 税金対策にも応用ができること

の2点がある。以下詳細に説明していく。

スワップポイントのリスク回避できること

スワップポイント目的のトレードをする場合でも、リスクを最小にすることができる。

たとえば、トルコリラ/日本円をトレードしたとする。もし円安トルコリラ高になった場合、1万通貨保有していた場合、1日当たり40円のスワップポイントがもらえることとなる。つまりこれを1年間に換算すると14,600円の利益となる。しかし、逆に円高トルコリラ安となった場合、レートが1円下がるにつれて1万円の含み損が発生する。つまり、スワップポイントでの利益は、為替損失によって消えてしまうこととなる。両建て手法をすることで、為替差損を最小限にすることができ、スワップポイントによる利益も得ることができる。

税金対策にも応用ができること

両建て手法は実は税金対策にも応用することが可能である。どんな方法かというと、買いか売りのいずれか1つのポジションを保有し、年内は決済をせずに持ち続ける。それがもし含み益でも含み損でも反対のポジションを保有することでリスクをヘッジする役割を果たすこととなる。この手法は、有効なトレード手法だが、FXトレードに慣れてきてからするのが良いと思われる。

FXの両建て手法のデメリット

これまでFX両建て手法のメリットを解説してきたが、当然デメリットもある。ここからは、両建て手法のデメリットと解決方法について解説していく。

デメリットとして考えられるのは

  • 有効証拠金の管理が難しいこと
  • 戦略的に使わないと損となること

である。以下解説していく。

有効証拠金の管理が難しいこと

まず1つ目は証拠金の管理である。

FXでは、FXブローカーに預けた資金は必要証拠金と友好証拠金に分けられ、トレーダーはそのうち有効証拠金のみでトレードができる仕組みだ。複数のポジションを持つ場合、片方のポジションを保有する場合の倍の有効証拠金を使用するため、有効証拠金の維持に気をつけなければならない。

複数ポジションを持つということは大きな利益だけでなく、大きな損失を被る可能性も大きくなり、大きな含み損となった場合、強制ロスカットされる可能性が高まる。ポジションが増えると有効証拠金の変動も大きくなることから、ロットを調整することで有効証拠金に余裕を持ってトレドするように心がける。

戦略的に使わないと損となること

両建て手法はただ単に買いと売りのポジションを同時に持つだけでは、利益を得ることは難しいということだ。通常のトレードと同様、エントリー根拠や理由を考えながら戦略的に行っていかなければならないのである。さらに決済せずに持ち越すトレードをした場合、マイナススワップが発生するため、エントリーと決済のタイミングにも気を使う必要がある。このように両建て手法を行う場合には、しっかりとした戦略立てないと損失を生むだけなので、FX初心者はまず1つのポジションでしっかり利益を出せるようになってから両建て手法を利用するのを強くおすすめしたい。

FXの両建て手法まとめ

  • FX両建て手法は、トレンド相場や指標発表時、さらに税金対策、スワップポイントのリスク回避策として有効な手法である。
  • デメリットとして、証拠金管理が難しいことや戦略的に使わないと損失を出すことになりかねないので、初心者は、両建て手法ではない通常のトレードで利益を上げられるようになってから利用するのをお勧めする。

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