フラッシュクラッシュとは何か。原因について徹底解説します

ある日突然起こる現象フラッシュクラッシュ。突然のフラッシュクラッシュで一瞬にして口座の資金が吹き飛んでしまうかもしれません。そもそもフラッシュクラッシュとは、どういった事象なのでしょうか。また何が原因で引き起こされるものなのでしょうか。それらを知っておけば、突然のフラッシュクラッシュが起きても資金を守る対策ができます。本記事では、FXトレーダーとして知っておきたい、過去に起こったフラッシュクラッシュの事例、またそこから分かる原因と対策について解説していきます。

フラッシュクラッシュとは

フラッシュクラッシュとは、為替相場や株式市場が突然瞬間的に暴落や暴騰をすることであり、以下の特徴を持つ。

  • 何の前触れもなく、突然価格の変動幅が急激に拡大すること
  • 価格が一瞬にして急落したり急騰すること
  • 人工知能AIによるアルゴリズム取引によって引き起こされること

何の前触れもなく突然に起こる事象のため、予想することは不可能である。

またその事象が突然起こるため、強制ロスカットが執行されてしまうケースが多い。そのため、退場を余儀なくされるトレーダーが多くなる

フラッシュクラッシュの発生頻度

フラッシュクラッシュは、FX相場に限らず、アメリカのニューヨーク市場や各国の株式市場・仮想通貨市場でも、数年に一度の割合で不定期に繰り返されている。

最近5年間を見てみると、有名なものでアップルショックコロナショック(後述)などが起きており、多くの個人トレーダーが市場から退場を余儀なくされている。

また一説によると、機関投資家やヘッジファンド等の大口が導入している人工知能AIの意図的な市場操作により、フラッシュクラッシュが引き起こされているのではとも言われている。

そのため、今後ますます人工知能AIを導入したトレードが主流になることを考えると、フラッシュクラッシュが発生する回数は多くなっていくと考えられる。

フラッシュクラッシュが起こる原因とは

フラッシュクラッシュ発生の原因については色々なことが言われるが、その真実については不明のままである。しかし、一般的に考えられる原因はこれだという予測はなりたっているので、以下詳細について述べていく。

フラッシュクラッシュが起こる原因としてよく述べられるのは以下のことである。

  • 人工知能AIの仕掛けによるもの
  • ファットフィンガーと呼ばれるヒューマンエラーによるもの
  • ファンダメンタル的な情報によるもの

人工知能AIの仕掛けによるもの

ヘッジファンドや機関投資家の擁するトレード用人工知能AIは、個人トレーダーのポジション状況を全て把握していると言われている。

トレード用人工知能は、独自の売買アルゴリズムを兼ね備え、それは、どのタイミングで、どの程度の買い/売りの圧力をかければ、どのくらいの個人投資家を強制ロスカットに追い込めるのかをシミュレート可能なものである。

そして、人工知能AI側から見て各条件が揃った時、フラッシュクラッシュを誘発し、価格を上下させることでトレーダーを市場から退場に追い込む。

よって、フラッシュクラッシュの後は、基本的にすぐにレートが元の水準に戻ることとなる。

ファット・フィンガーと呼ばれるヒューマンエラー

ファット・フィンガーとは、機関投資家などがキーボードからトレードのオーダーをする際に1桁誤って入力するなどのヒューマンエラーをいう。外国人の太い指(ファットフィンガー)がキーボードの入力を誤らせるという言葉遊びから来ていると言われている。

ただし、これからはさらに人工知能AIを導入する機関投資家が増えてくると、ファット・フィンガーによるフラシュクラッシュは起こりにくくなると考えられる。

ファンダメンタル的な情報によるもの

最もフラッシュクラッシュを引き起こ原因として挙げられるのは、やはりファンダメンタル的な要因である。

例えば、ここ最近だと、トルコ政府の為替補填措置の際のフラッシュクラッシュが有名だ。

その発表まではトルコリラは円に対して下落していたが、発表されるや急に上昇を始めた。よってそれまで所とポジションを保有していたトレーダーはかなりの損失を被っただろうと想像される。この発表によって、たった数時間の間に、トルコリラの価値が1.5倍にまで上昇をしている。フラッシュクラッシュの典型例である。

フラッシュクラッシュへの対策方法

このように予測不能で起こるフラッシュクラッシュに対処するためにはどうしたらよいのだろうか。考えられる対策は以下のとおりであるが、特に特別なことではない。

レバレッジを掛けすぎない

レバレッジが25倍を超えなければ、つまり証拠金維持率が100%を下回らなければ、強制ロスカットは執行されない。

そして突然のフラッシュクラッシュによって大きく膨らんだ含み損がレバレッジにさらに負荷をかけることとなる。

含み損がない状況では、証拠金のみがレバレッジを圧迫することになる。しかしフラッシュクラッシュによる急激な価格変動の最中では含み損が倍々に増えていくことを忘れてはならない。

常日頃から現在レートから10円(=1000pips)逆行しても耐えきれるようにレバレッジを調整していれば、過去にあった規模のフラッシュクラッシュが起きても資金を守ることができると考える。

常に逆指値の設定しておく

フラッシュクラッシュのような急激な価格変動時には、成行決済が受け付けられないため、起こった後に損切りを入れても無駄になってしまう。

というのも、各機関投資家がHFT(人工知能・システムを用いた超高速取引)を使った大量の発注を入れてくるため、FXブローカーや取引所のサーバーに大きく負荷がかかることとなる。

そのため、日頃からポジションを建てる都度逆指値を設定し、自動で損切りされるようにしておくことが重要である。

デイトレードやスキャルピングのようにその日のうちにポジションを解消するでポジションを手放す手法を取っている場合は問題ないが、スワップ狙いやスイングトレードのように長期でポジションを保有する場合は、必ず逆指値を設定するようにする。

両建て手法を活用する

何としても暴落をやり過ごしたいいう方は両建て手法によって耐える手段もある。

一瞬で数百pipsも価格が変動するフラッシュクラッシュは、ある一定の段階を経て、大きな開きになる。そのため、フラッシュクラッシュの初動を捉えることができれば、両建てによって含み損が今以上になることを防ぐことができる

ただ注意するのは、これはあくまでも一時的なしのぎの方法に過ぎないということである。本来であれば、合理性を欠く行為となるため、安易には使わず、ポジションの出口がはっきりした場合に限りの使用が望ましいと言える。

フラッシュクラッシュまとめ

フラッシュクラッシュはいつ発生するのかわからないということとまた次も発生する可能性があるということである。そのため、日ごろからいつそれが来てもいいように安全な運用をすべきである。

すぐに大きな買戻しが入る点もフラッシュクラッシュの大きな特徴であるので、強制ロスカットを回避できれば大きく儲けるチャンスと考えることもできる。

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