米国雇用統計の指標の重要性について解説します
FXのトレーダーであれば最初のうちは、雇用統計の発表のある日はトレードしないほうがよいと言われた経験をお持ちの方もいらっしゃるのではないだろうか。これは「雇用統計が発表される日は値が大きく動くから初心者は注意をしろということなんですが、そもそもなぜ米雇用統計の発表時はなぜ相場に注意を払わなければいけないのか。雇用統計」について、なぜ世界中のトレーダーが注目し、相場に大きな影響を与えるといわれている米国雇用統計の真相を追求したいと思います。
目次
そもそも米雇用統計とは
米国雇用統計は、毎月第1金曜日の21時30分(冬時間なら22時30分)に発表される経済指標である。
その内容は「アメリカ全体の雇用情勢がどうなっているか」を統計化したものである。わかりやすく言えばアメリカ全体で雇用された人がどれだけ増えたのか、失業した人がどれだけ増えたのかという情報である。
米雇用統計の項目は、平均時給、金融機関就業数、製造業就業数、建設業就業数などと多数あるが、この中で最重要なのは2つだけである。それは
- 非農業部門雇用者数変化
- 失業率
である。これらの数値が意味することを説明する。
非農業部門雇用者数変化
その名の通り農業以外の部門で雇用されている人数を示す指標である。
数ある指標の中でもナンバーワンといって良いほど、世界中が注目する数値である。その理由は約40万という膨大なデータから集計されたもので信頼性が高いからだと言われている。
失業率
米国内の失業者を労働人口で割って、算出された指標。
この数値が上がれば、それだけ国内の失業者が多いことがいえるため、国力をはかる意味でも雇用者数変化の数値と同じく注目されている。
この2つの数値は、まさに全米の雇用状況が見える、重要な指標である。
だからこそ、数あるアメリカの指標発表の中でも特に注目されているものになる。ところで、なぜ米国の雇用統計ばかりが注目されるのであろうか。
これはもちろん、アメリカが世界トップクラスの経済大国だからである。
米国雇用統計を見れば世界経済がわかる
米国のGDP(国内総生産)の値は、世界の20%以上を占めている。
GDPとは国内総生産のことで、 国内で新しく生産された商品やサービスの付加価値の総計を示した指標のことである。GDPが20%以上を誇るということは、世界全体の1/5以上の付加価値が米国内で生産されているということに他ならない。
その米国の景気が冷え込むと、世界経済に多大な影響を被るということになる。米国一国が、世界の経済事情を左右しているということとなる。
さて、米国のGDPの約70%は「個人消費」で占められていると言われている。
つまり、米国内に住んでいる人の購買意欲が高まるとアメリカ経済は景気が良くなり、逆に買い控えをするようになると、米国経済は冷え込むことになり、景気も後退することとなる。それでは米国人の購買意欲が上がったり、買い控えたりする状況というのは、どういうことが考えられるのかということだ。
つまり、個人が消費活動をするには個人がどこかに雇われて仕事をして収入を得なければできないということになる。
米雇用統計が示しているのは単に雇用された人の数の増減ではなく、今後米国国内の消費が「上がるか下がるか」を予測するために必要な情報となるのだ。
そして、米国経済が順調であれば、大きなお金が動き自然と世界的にも景気は好循環を生んでいく。だから結果として多くの投資家、トレーダーたちは米国雇用統計を見逃さないのである。
これが、米雇用統計の注目されている理由となる。
米国雇用統計まとめ
- 米国雇用時計は、原則毎月第一金曜日に発表される経済指標である。
- この雇用統計発表には世界中の注目が集まり、この指標の良しあしで為替が大きく変動するというものとなっている。
- なぜこれほどまでに米国雇用統計が注目され、ひいては、為替までに影響を与えるかと言えば、米国は世界経済の中心地で、米国雇用統計は、米国の消費動向を示す重要な指標だからである。