【これぞフォーメーション分析の極意】勝てるフォーメーション分析について解説

あなたは、フォーメーション分析と聞いてどんなチャートパターンをイメージするだろうか。一口にフォーメーション分析と言っても上図に示す通り、三角保ち合い、三尊天井、ダブルトップ、ダブルボトム、これらはあまりにも有名です。それ以外でもペナント、ウエッジ、ソーサー、スパイクなどその種類は多岐にわたります。ただ、これを一面的に覚えるだけでは非常に危険。ここではフォーメーション分析の本質とその正しい使い方に迫るべく解説しようと思います。

フォーメーション分析とは

いろいろなチャートパターン図「マックス岩本講義動画」より引用

フォーメーション分析とは、相場のトレンド形成後の値動きのチャートパターンの出現によって売買判断を下す分析手法のことをいう。相場のトレンド形成後の値動きのパターには大きく分けて2つのパターがある。一つはトレンドが反転するケース、もう一つはトレンドがそのまま継続するケースである。

前者のトレンド継続のチャートパターンをリバーサルフォーメーションと呼び、後者のトレンド継続型のチャートパターンをコンティニュエーションフォーメーションと呼ぶ。初めに後者のコンテニュエーションフォーメーションの代表格であり、なおかつ出現頻度の高いトライアングルフォーメーションについて解説していく。

勝てるフォーメーション分析 トライアングルフォーメーションとは

トライアングルフォーメーション解説の図「マックス岩本講義動画」より引用
トライアングルフォーメーション

投資家の多くが買いなのか売りなのかを決めかねている、あるいは売り買い拮抗している保ち合い局面において現われるチャートパターンを指す。

具体的には価格が一定の値幅でとどまっている保ち合い局面において、高値同士を結んだトレンドラインと安値同士を結んだトレンドラインとの差が徐々に狭まってこの両トレンドラインの延長線が1点に収束して三角形の形を作るのが大きな特徴である。この保ち合い局面における三角形の形状は、市場参加者の心理状態によって微妙に形が異なる。今回はその中でも重要度の高いまた、発生頻度の高い3種類のパターンを取り上げたい。

アセンディングトライアングル

アセンディングフォーメーション とは、上値が一定で安値が徐々に切りあがるもので、上昇三角形ともいう。これは、上値は一定水準を保ちながらも安値が切りあがるつまり、買い勢力の高まりを示唆している強気型の三角保ち合いと言われている。したがって、上方向にブレイクが期待されるパターになる。

ディセンデイング トライアングル

その反対に右側のチャートつまり、下値が一定で上値が切りあがるものでディセンディングトライアングルまたは下降三角形と呼ばれるものである。こちらは売り勢力の高まりを示唆していることから弱気型と認識される。

シンメトリカルトライアングル

最後に、上値が切り下がり、下値が切りあがるもの、これをシンメトリカルトライアングルまたは対称三角形と呼ばれる。ほかの2種類( アセンディングトライアングル と ディセンデイング トライアングル )と比べると、よくわかる通り売りと買いが拮抗状態にあるということがわかる。

3つのトライアングルのエントリーポイント

これらを使用した売買タイミングとして3つに兆通していることは、どちらかのトレンドラインを抜けたときにはその方向のトレンドが形成される。いずれも形成された三角形の中で価格が推移している間はトレンドがなくエントリーができない。よってエントリーポイントとなりうるのは、価格がトライアングルの中の推移が終わり、いずれかの方向にブレイクした瞬間となる。

トライアングルフォーメーションで分析することのメリット

2本のラインが引けた時は必ず2点のラインが交わる交点が存在するのでブレイクするのではという地点までの時間がある程度想定できる。必ずしも交点付近でブレイクするとは限らないが、その交点が目前に迫っているのであればここぞとばかりエントリーすべきである。

勝てるフォーメーション分析 リバーサルフォーメーションとは 

リバーサルフォーメーションの図「マックス岩本講義動画」より引用

相場のトレンド形成の後の値動きには大きく分けて2つのパターンがある。1つはトレンドがその後反転するケース、もう1つはトレンドがそのまま継続するケースである。前者は天井や底局面などのトレンド終盤に現れるのに対して、後者はトレンド中盤の保ち合い局面に現れる。このように、前者のようなトレンド転換型のチャートパターンをリバーサルフォーメーションと呼び、後者のトレンド継続型のチャートパターンをコンティニュエーションフォーメーションと呼ぶ。 コンティニュエーションフォーメーションの代表格がトライアングルであり、これは上述したとおりなので、今回はトレンド転換型の リバーサルフォーメーション の代表格であるヘッド&ショルダーズトップ・ボトムについて解説していく。

勝てるフォーメーション分析  ヘッド&ショルダーズトップ

ヘッド&ショルダーズトップ解説の図「マックス岩本講義動画」より引用

このパターンは、これまで伝えてきたとおり、トレンドの終盤局面におとずれるチャートパターンとなる。発生頻度はそれほど高くないが、トレンドの終焉を示唆するチャートパターンであるほか数あるチャートパターンの中でもゆっくりと時間経過を伴って完成するため、トレンド転換後の価格の勢いには目を見張るものがある。大きな利益を狙えるチャートパターンであるため、ぜひ覚えてもらいたい。

この図は、ヘッド&ショルダーズトップのイメージ図である。主要な高値、安値にアルファベットの記号を振っている。時系列に解説していくと、価格が段階的に上昇してきて高値Aをつけた。その後、価格が一時的に反落して安値Bをつけて再び上昇し、高値Cをつけた。ここまでは何の変哲もない高値、安値を結ぶと上昇チャネルが形成される局面となる。その後はどうか。上昇トレンドラインに下支えられることなく、一気に水準を安値Dまで切り下げると、その後小幅反発が見られてEの水準まで戻してきた。トレンドライン分析の観点からは明確に上昇トレンドの衰えを示唆する局面ではあるが、この段階では信憑性の高い方向性を見出すことはできない。

ドラゴン先生

なぜなら、この時点で3つのトレードシナリオが想定できるからだ。

シナリオ①

価格がいったんDの安値をつけてDからEまで上昇してきているため、さらに上昇し、Cの高値を突破するのではないか

 

シナリオ②

Cの高値まで上昇するもののこの水準を抜けられずに反落してしまう、いわゆるダブルトップになるのではないかということ。つまり、Cの高値を抜けられるのが中期上昇なのであればCの高値で止まってしまうような短期的な上昇になるのではということ。

シナリオ③

Aと同水準のEは、Aのつけた高値を越えられず反落し、Eの水準に達することなく下落するのではないかということ。

 

ここでの重要ポイント

ドラゴン先生

どのシナリオを選択するのが正しいかということではなく、3つの選択肢があるということは市場参加者の見方も割れる可能性があるということだ。

具体的には、事前に上昇トレンドラインを割り込んだということに着目して、再び下落するだろう、売ろうかなと考えるトレーダーがいる一方で安値B、安値Dをつけたことによってダブルボトムをつけているから今後は、上昇するはずだ。なのでEの水準から買っていこうと考えるトレーダーも当然いる。

では、そちらに事前にポジションを保有していたトレーダーたちは、何をもって、何を考えてチャートを見続けるか。これもどこに重きを置くかによって見方が割れるものと思われる。そのため、Eの局面では上がる下がるということではなくて、売り方と買い方が拮抗することに伴って方向感が乏しくなりレンジ相場となることが少なくない。

シナリオ③が現実化し、ヘッド&ショルダーズトップが完成するまでの流れ

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ヘッド&ショルダーズトップ解説の図2「マックス岩本講義動画」より引用
ドラゴン先生

一定期間保ち合った後に3つ目のシナリオである高値の水準で失速し、再びDの安値に向かって下落していくことが現実化したとき、市場参加者の心理はどのように変化するか。

価格が再び下落を始めたので、売り方が徐々に増えつつあることはこのチャートからもわかる。なかには安値Dを割り込むことをメインシナリオとし、早仕掛けするトレーダーがいたり、事前に保有していた買いポジションを手仕舞うというトレーダーも増えてくる。そしてこの値動きは、安値Bと安値Dを結んだネックラインを割り込むことでヘッド&ショルダーズトップが完成することで一気に加速する。

それまで買いポジションを持っていた損失確定の売り決済に加えて、これ以上上昇しないと判断したトレーダーによる利益確定の売り決済、さらには直近安値更新を好機ととらえたトレーダーによる新規の売り注文が一気にマーケットになだれ込み、強い動意を伴ってヘッド&ショルダーズトップが完成する。

決済の目標値

ネックラインを割り込んでからの下げ幅というのはネックラインからCまでの値幅を熱ラインからそのまま下に伸ばしてあげた値幅、これが1つの目標となる水準であるとされる。

もちろん必ず到達するわけではないが、その後のトレンドの強さを計るうえでは有用な目標値となる。

勝てるフォーメーション分析 まとめ

  • フォーメーション分析にはその形からトライアングルフォーメーションとリバーサルフォーメーションの大きく2つに分けられる。
  • トライアングルフォーメーションの特長は、価格が三角形を形成し、だんだんと収束する形になることである。これは保ち合い局面に多く見られるが、どちらの方向にいくかはわからない。しかし、収束点が予測できるため、エントリーの準備することができる。
  • それに対してリバーサルフォーメーションとはヘッド&ショルダーなどにみられるようにトレンドの転換点に多く見られるものである。
  • これはフォーメーション分析全般に言えることだが、その形、チャートパターンが現われたからエントリーするといったような一面的なとらえ方ではなく、それが完成するまでの市場参加者の心理の変化を考えながらトレードすることが重要になってくる。

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