FXフォーメーション分析ダブルフォーメーションの活用方法とは

img src="Moving averadge.jpg" alt="ダブルフォーメーションを表示したチャート図/

ダブルフォーメーションとは

ダブルフォーメーションは、ヘッド&ショルダーズ同様に、マーケットの天井や大底など転換局面に現れるチャートパターンである。ヘッド&ショルダーズに比べて発生頻度が高く、汎用的なボトムやトップを形成するチャートパターンで視覚的にも認識しやすいため、初心者から中上級者まで多くのトレーダーに愛用される分析指標の1つとなっている。日本では2点天井もしくは2点底毛抜き天井、毛抜き底の名称で親しまれている。

「マックス岩本講義動画」より引用

こちらがダブルフォーメーションは、その名の通り、マーケット高値圏、もしくは安値圏にいて、2点の高値もしくは安値をつけ、のちにトレンド転換するのが最大の特徴となる。トレンド転換型のチャートパターンではあるものの時間軸に際限なく、様々な局面で現れるため、デイトレーダーからスイングトレーダーまで習得しておいて損はないテクニカル手法である。しかしながら発生頻度が高いということと、利益が上がるということはイコールではない。発生頻度が高いため、天井圏かと思いきや、再浮上、又は底値を打ったと思いきやさらに反落し、結果的にダマシとなってしまう局面も少なくはない。

ここで重要ポイント

パターンの一部にフォーカスし、安易に飛びつくのはあまりにも危険である。そのため他のチャートパターン同様、それ以前の値動きや、パターンが完成するまでのプロセスに注目し、市場参加者心理を読み解くことが大切である。

ダブルトップから解説する。価格が上昇局面を形成している場面を想定してみていただきたい。継続的に高値、安値を切り上げる上昇トレンドが確認される中で、高値Aをつけた後に反落し、上昇トレンドラインのBまで下押しをした。しかし、下値さぐりも限定的で、この上昇トレンドラインに支えられる形で再浮上した。ここまでは何の変哲もない上昇チャネル内の値動きとなる。いまだ上昇トレンドが継続していることに変わりはなく、衰えすら確認されていない。つまり、この間、売買戦略としては、トレンドは上向きだから積極的に買い場を探っていきたい局面である。

では次の段階に注目していただきたい。価格が直近の高値圏であるCまで切り上げたものの突破できずに失速した。その安値Bから水平に引かれたネックラインを割り込むと一気に安値Dまで下値を探った。ここでネックラインを割り込んでダブルトップが完成する。その後価格は一時的に上昇し、Eの水準まで上昇した。リターンムーヴという反動高をむかえたわけだが、事前に割り込んだネックラインが上値抵抗ラインとなり、再び反落し、Fにかけて下落するというものだ。なお、ダブルトップ形成後の価格動向の予測は、高値Cからネックラインまでの値幅を、ネックラインから下にそのまま倍返しで当ててあげるというのが1つの目標値とされている。ダブルボトムはダブルトップの裏返しになるので、考え方は同じである。

「マックス岩本講義動画」より引用

では、直近のチャートを対象に具体的なエントリーポイントや注意点について解説していく。こちらはドル/円の30分足チャート上に確認されたダブルトップの事例となる。一時は上昇チャネルを突破するほど強い上昇トレンド、つまり買い勢いが確認されたが、押し目をつけてから再浮上の局面では上値動意が限定的でチャネルライン上限に満たずとなった。これはトレンドライン分析の観点から、買い勢いの衰えを示唆するシグナルとなる。その後は上昇トレンドラインを下抜けてトレンド転換が明確化し、いったん押し目をつけた水準を割り込むことによってそれが決定的となる。

ネックラインを割り込んだ時のローソク足の値幅を見ても不特定多数の市場参加者が新規決済に関係なく売りという選択したということがわかるのではないか。

エントリーポイントはどこになるのか

ネックラインを割り込んだ赤丸のポイントとなる。上昇トレンドラインの下抜けを確認された青丸のポイントでも間違いではない。しかし、買い勢いの強い場合はネックラインを割り込まず再浮上し、高値圏でのダブルボトムを形成するケースもあるので、ネックラインにて底かたさが確認されたのであれば、一旦手仕舞うなど柔軟な売買判断が必要である。

決済の目標地点はここだ

なお、ネックラインを割り込んでの下値の目途としては最高値からネックラインまでの値幅のネックライン下への倍返しは一つの目安となるが、この事例のようにトレンドの勢いが強い場合には、直近の高値からネックラインの幅の2倍程度のトレンドを形成するケースもあるので、ダブルトップが完成するまでにかかった時間やトレンド転換後のローソク足のサイズ、リターンムーヴなどの値幅にも注目し、トレンドの強い局面では最大限利益の追求や拡大を行っていく。

フォーメーション分析ダブルフォーメーションまとめ

  • ダブルフォーメーションは、ヘッド&ショルダー・ボトムと同様転換局面に現れるチャートパターンであるが、発生頻度が非常に高いことで知られている。
  • しかし、発生頻度が高い=利益が取れるではないので、単純にその形が現われたからエントリーするという考え方は非常に危険である。

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